SPF数値が低い日焼け止めは効果が下がる?【SPF/PAという数値の真実】
- SPF数値が低いと効果が下がる?
- 日焼け止めの肌負担が気になる
日焼け止めに記載されているSPF/PAという表記。
このSPF/PAという表記の意味を知っていますか?
詳しくは知らないけど…。
そりゃ~数値が高い方に良いんじゃないの?
なんとなく高い数値のものがUV防止効果が高いと思われがちです。
結論から言うと、SPF15以上になると紫外線の防御率は変わらないというエビデンスがあります。
本記事は、日焼け止めのSPF/PAという数値の真実について解説していきます。
この記事で分かること
- SPFPAという表記の意味
- 紫外線UV-AとUV-Bの違い
- 紫外線をブロックする成分
- 日焼け止めの正しい使い方
本記事は、以下の文献を参考に書いています。
主な参考文献
- 美容常識の9割はウソ
- 化粧品成分検定公式テキスト[新訂新版]
- 皮膚科医の友利新さんのYouTube
今まで数値の高さだけを基準に選んでいたのなら、ぜひ参考にしてみて下さいね。
目次
SPFという表記の意味
SPFとは、強さではなく日焼けを(赤み)防止する時間とUV-Bに対する防御効果を表しています。
SPF15以上になると紫外線の防御率は変わらないというエビデンス結果が出ています。
「SPFは高いほど効果がある」は思い込みだった
防御率の数値は、一定の数値を超えると紫外線の防御率はほとんど変わらないということが分かりました。
日焼け止めを使った場合の防御率
SPF15→UV-Bを93.3%
SPF30→UV-Bを96.7%
SPF45→UV-Bを97.8%
SPF50→UV-Bを98%
参考文献:美容常識の9割はウソ
SPFの数値が高ければ高いほど良いと思われがちですが、実は大きな差はなかったのです。
防御する時間の計算
日本人の日焼けがおこる平均時間:約20分
SPF50の場合
50×20分=1,000分(約16時間)
SPF30の場合
30×20分=600分(約10時間)
SPF50の場合、UV-Bに対して防御できるのが約16時間。
SPF30の場合、約10時間ということです。
SPF50と表記するためには、紫外線吸収剤や錯乱剤を大量に使うため、SPFの数値が高くなるほど肌への負担も増えることになるのです…。
PAという表記の意味
PAとは、UV-Aに対する防御効果を+で表しています。
「+」~「++++」の4段階で表示され、「+」の数が多いほど効果が高くなるとされています。
このPAという表記は日本独自の分類評価で、海外製品には「+」という表記はありません。
紫外線をブロックする成分
紫外線を防御する主成分として、紫外線吸収剤と紫外線錯乱剤が使われています。
吸収剤は、おもにUV-Bに効果を発揮。
錯乱剤のみを使った製品を「ノンケミカル」「紫外線吸収剤フリー」と言います。
【日焼け止めの表示例】
成分表示 | |
---|---|
酸化亜鉛 | 紫外線錯乱剤 |
酸化チタン | 紫外線錯乱剤 |
メトキシケイヒ酸エチルヘキシル | 紫外線吸収剤 |
ジエチルアミノヒドロキシンベンゾイル安息香酸ヘキシル | 紫外線吸収剤 |
ちなみに、その他の紫外線吸収剤の成分について知りたいなら以下のサイトが参考になりますよ。
▼化粧品成分オンライン「紫外線吸収剤のリスト」
https://cosmetic-ingredients.org/positive-list-uv-absorber/
紫外線UV-AとUV-Bは何が違うのか?
UV-Aとは?
シミ、しわ、たるみの原因をなる原因95%がUV-Aだと言われています。
UV-Aには炎症を起こしたり肌を黒くする力はさほどありません。しかし、UV-よりも波長が長く、肌の奥(真皮膚深層)まで到達してしまうため、長期的に浴びると光老化の原因になります。
引用文献:美容常識の9割はウソ
UV-Aは生活紫外線とも呼ばれ、窓ガラスなども通り抜ける性質をもっていて、くもりの日も降り注いでいるので気をつける必要がある紫外線です。
ちなみに、PA+という数値がUV-Aに対する防御効果がどれくらいあるのか意味しています。
UV-Bとは?
日焼けを起こしたり皮膚ガンの原因となるのが、UV-Bだと言われています。(5~8月がピーク)
そして、SPFの数値がUV-Bに対する防御率を意味しています。
まとめ
UV-A
- シミ、しわ、たるみなどの老化を促す95%がUV-Aと言われている
- PAの+の数:UV-Aに対する防御効果
- 紫外線錯乱剤はUVAとUVBの双方に効果がある
- 窓ガラスなども通り抜ける性質をもっている
- 曇りの日も降り注いでいるため、毎日気をつける必要がある紫外線
UV-B
- 日焼けや皮膚ガンの原因となる紫外線(5~8月がピーク)
- SPF数値:UV-Bへの防御を意味している
- 紫外線吸収剤は主におもにUV-Bに効果を発揮する
日焼け止めの正しい使い方
SPFやPA+という数値の意味について分かってきたかと思います。
実は、正しい効果を得るために必要な「日焼け止めの量」の規定があります。
日焼け止めのSPF表示通りの効果を出すためには、乳液タイプは500円玉大、クリームタイプなら大きめの真珠二つ分が一回分が理想的な量だったことが分かりました。
あまり知られていないことですが、日焼け止めのSPF数値にも使用量の規定があります。
皮膚1平方センチメートルあたり2グラム使用することになっているのです。
そうでないと、表示どおりのSPF効果は期待できません。
顔全体に換算すると、500円玉大くらいの量が標準使用量です。
引用文献:内側から変わる!毎日のスキンケア10の法則
紫外線防止の効果をしっかり得るためには、「どの製品を選ぶか」よりも、じつは「こまめに塗る」ことが大切です。
引用文献:美容常識の9割はウソ
日焼け止めの数値が高いか低いかにこだわるよりも「きちんと塗ること」と「こまめに塗る」の方が効果的です。
- こまめに塗ることを意識する
- のせるようにつける
- 乳液タイプは500円玉大
- クリームタイプは大きめの真珠2つ分
- 屋外にいる場合は2時間おきの塗り直しが必要
- 塗り直しの際も同じ量を使う
しかし、規定量を全部塗ることは現実的には難しいですよね…。
問題点
- 厚塗りになり白浮きしやすい
- メイクしていると塗り直しが難しい
- 時間がかかる
- 毎日塗ると肌に負担をかける
皮膚科医の友利新先生の動画で紹介している「日焼け止めの塗り方」がとても参考になるので気になる方はチェックしてみてくださいね。
最後に
今回は、日焼け止めのSPF/PAという数値の真実について解説しました。
実は、日焼け止めにの効果を得るためには数値よりも「塗る量」が大切だったということが分かりました。
そして、正しい使い方をするとメリットもデメリットもあります。
ですが、シミができてから後から後悔することは避けたいという気持ちは誰にでもあると思います。
後悔しないために必要なのは「正しい知識」です。
私の場合は、SPFの数値よりも「成分に酸化チタンや酸化亜鉛が配合されているもの」「PA+数値が多いもの選ぶ」というのを基準にするようになりました。
そして、友利新さんのYouTubeを参考にした塗り方を実践しています。
自分にとって何が大切かを考え、後悔しないための紫外線対策の参考にしてみて下さいね。